ガラス工事は、それだけ単独で1問出題されることもあるカテゴリー。そのなかでも、今回は学習し始めた頃は聞き慣れない名前が並び、混乱しやすい「はめ込み構法」について。個人的に引っかかりやすい箇所をおさえつつまとめてみたいと思います。

今回はガラス工事より、「はめ込み構法」についてです。

あの「グレイジングなんとか」の範囲ですね。

そのとおりです。「エッジクリアランス」、「掛り代」といわれてどこか想像できますか?

…同じところじゃないんですか?

ちょっとややこしいですよね。図で確認してみましょう。
はめ込み構法
はめ込み構法とは…
簡単に説明すると、板ガラスなどを溝にはめ込み、取り付ける工法のこと。
ただ、単純にはめ込むといっても、その構法には大きく分けて3種類の構法があります。
①不定形シーリング構法
②グレイジングガスケット構法
③構造ガスケット構造
※ちなみに、試験によく出るガラスの取付工法としては、この他にDPG構法、SSG構法などがありますが、今回ははめ込み構法のみの解説になります。
各部名称と使用箇所
各使用材料の名称と使用箇所ですが、図で確認してみましょう。

a :面クリアランス
b :エッジクリアランス
c :掛り代
セッティングブロック:はめ込み溝内、サッシ下辺に置いてはめ込み溝底とガラスが接触するのを防止する。ガラスの自重を支える。
バックアップ材:シーリングを施工する場合に、はめ込み溝の側面とガラスとの間の面クリアランス部に挿入する。ガラスを固定するとともにシーリング材を受ける役目がある。
セッティングブロックの適切な位置

セッティングブロックは、エッジクリアランスと掛り代を確保する役割がある。一般的には、ガラスの横幅寸法の約1/4の箇所に2つ設置する。
エッジクリアランス、掛り代の確保
エッジクリアランス
地震によって窓枠が変形したときに、窓枠とガラスが接触して割れないようにするために設ける。
面クリアランス
主に風圧力による不均一な応力の発声を防ぐために設ける。窓枠とガラスの接触を防ぐとともに熱割れを防止している。
掛り代
風圧によるガラスのたわみでガラスが外れないようにするとともに、バックアップ材、シーリング材の設置深さを確保する。10mm以上、板圧の1.2倍とすること。
複層ガラスの場合は、封着層への紫外線の入射を防ぐために掛り代を15mm以上とすること。
グレイジングガスケット構法
先述した通り、はめ込み構法には①不定形シーリング構法と②グレイジングガスケット構法と③構造ガスケット構法がありますが、ここでは過去に出題があるグレイジングガスケット構法のみ紹介いたします。
グレイジングガスケット構法とは、サッシ枠とそれにはめ込まれたガラスの間に水密性・気密性のある定形シーリング材を挿入する構法です。
定形シーリング材としては、2種類。
グレイジングチャンネルとグレイジングビートがあります。
グレイジングチャンネルは、浸水し水が滞留しても影響がない場合に用いられ、グレイジングビートは浸水した場合に排出される構造とする必要があります。
グレイジングチャンネル構法
簡単な断面図がこちら。

見ての通り、セッティングブロックを使用しておりません。
グレイジングチャンネルはガラスの4周に巻き付けて、サッシ枠にはめ込みます。その際にガラスの上辺の中央でグレイジングチャンネルを突き合わせるようにし、隙間が生じないように注意します。
グレイジングビート構法
こちらもまずは図を見てみてください。

一般的なグレイジングビート構法は、水密性が低く、厚さ8mm未満の単板ガラスや合わせガラスなどで戸建て住宅に使用されます。グレイジングビートは肉痩せするため垂れ下がりに注意する必要があります。
ここで過去問です
実際にここの範囲からはどういう出題があったのでしょうか。過去問を見てみましょう。
(R05-18)
4.ガラス工事において、グレイジングチャンネル構法によるガラスの取付けには、セッティング
ブロックを使用しなかった。
こちらは正しい記述でしょうか?それとも誤り?
今回は以上です。
身近なところで、自宅のサッシや、オフィスのサッシを除いてみると、あーこれのこと!
って感じでより覚えやすいかなと思います。
いかがでしたでしょうか。少しでもお役に立てば嬉しいです。それではまた。
コメント