コンクリート工事の範囲からは毎年2題程度の出題があり、その範囲は他のカテゴリーより多めです。ですが実務において、必要とされる知識ですので施工管理に携わる方でしたら学習前に回答できるという方もいらっしゃると思います。これからという方は、問題が作成しやすい分野ですので、この機会に一緒に整理してみましょう。
コンクリート受入れ試験って見たことないんですよね。…大学で一度やったかな?
仕事で関わりがないとイメージしづらいかもしれないですね。
ちなみに参考になりそうな動画が建材試験センターから出ています。こちらからどうぞ。
あ、これ、短い動画でわかりやすいですね。
なかなか文字だけで記憶しようとすると大変ですよね。
コンクリート受入れ試験
受入検査は、原則、荷卸し地点において、施工者が納入されたレディーミクストコンクリートが以下の条件に適合しているか確認するために実施される。
- 圧縮強度
- スランプ
- 空気量
- 単位水量
- 塩化物料(工場出荷時でも可)
- アルカリ量
- 他、ワーカビリティなど
圧縮強度
試験の回数、供試体の数
1回の試験は、打込み工区、打込み日ごとで、かつ150m³以下にほぼ均等に分割した単位ごとに3個の供試体を用いる。
1検査ロットは3回分として、合格か判定する。
1回の試験は、任意の3台の運搬車から採取した3個の供試体の試験値の平均とする。
試験結果の判定
1回の試験値は、指定した呼び強度の85%以上の値でなくてはならない。
3回の試験値の平均は、指定した呼び強度の値以上でなければならない。
【参考】過去にはこんな問題が…(令和2年出題)
レディーミクストコンクリートの受入れ時の検査について、表のA~Cの圧縮強度試験の結果に対する調合管理強度の判定に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。ただし、コンクリートの調合管理強度は 30 N/mm²とし、 1 回の試験には任意の 1 台の運搬車から採取したコンクリート試料で作製した 3 個の供試体を用いるものとする。
※以下、「1回目の平均値、2回目の平均値、3回目の平均値→総平均値」の値とする。
A:33.0、34.5、31.5 → 33.0
B:26.5、33.0、32.0 → 30.5
C:28.0、30.0、30.5 → 29.5
という問題です。
A、B、Cの合否判定をするというものです。正解は、A、Bが合格。Cが不合格です。
先述した通り、1回の試験においては呼び強度の85%以上の値が必要ですので、ここでは呼び強度(調合管理強度)は30N/mm²と題意より出ていますので、25.5N/mm²未満は不合格となります。また、3回試験の平均値は、呼び強度以上(調合管理強度以上)出ないといけませんから30N/mm²以上が合格となります。
つまり、総平均値が30N/mm²未満であるCが不合格ということになります。
供試体の養生
調合管理強度以上(呼び強度以上)であることを確認する供試体は、材齢28日以上、標準養生とする。
標準養生とは、20℃±3℃の水中、湿砂中、飽和水蒸気中のいずれかで行う養生のこと。
スランプの許容差
※呼び強度27以上で高性能AE減水剤を使用する場合は、±2とする。
許容差の範囲内に収まらなかった場合は、同一の運搬車から別の試料を採取して再試験を行い、前回の試験結果とあわせて判断できる。これは、空気量についても同様。
空気量の許容差
実測値との許容差は±1.5とする。
普通コンクリートの場合、空気量は4.5%を標準とするので、3.0〜6.0%の範囲が合格となる。
単位水量
納入時、運搬車ごとに、納入書またはコンクリートの製造管理記録により、発注時の指定事項に適合すること。
また、単位水量は185kg/m³以下であること。
塩化物料
コンクリート1m³中に含まれる塩化物の含有量。
原則として、0.30kg/m³以下とする。
アルカリ量
規定した値以下であること。
ワーカビリティ
材料が分離することなく運搬、打設、締固め、仕上げなどの作業が容易にできる程度を示すコンクリートの性質。
品質が均一で安定していることを目視で受入時、運搬車ごと打込み時に確認すること。
今回は以上です。難しい分野ではありませんが、どういうふうに試験をするのか見ておくと、記憶の定着も違うかなと思います。また少しでもお役に立てるようにアップします!
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