「鉄筋工事」からは毎年1題は出題されています。このカテゴリーは記憶する数値が多くて混乱しますよね。数値を完璧に覚えて備えていたら、数値の問題ではなく、継手の位置の関する問題や、その長さの測り方が出題されることも。ここでは継手の位置も含めて一緒にみていきましょう。
継手って、どこで継いでもいいというわけではないんですね。
継手位置は、基本的に引張応力の小さいところになります。それは図と合わせて一緒にみていきましょう!
継手の数値を覚えたところだったんですが…。もう一歩踏み込む必要があったんですね。
過去に数値でなく、位置を問う出題がありましたので確認しておいて損はないです!全然難しくないですよ!
鉄筋の継手
鉄筋は、「応力の小さいところ」、かつ、「常にコンクリートの引張応力がはたらいているところ」に設けるのが基本的な考え方です。
また、ここでは重ね継手についてとりあげますが、継手の種類には以下のものがあります。
- 重ね継手
- ガス圧接継手
- 特殊継手(溶接継手、圧着継手、機械式継手等)
重ね継手
重ね継手の長さは、鉄筋強度、コンクリート強度によって異なります。また、フックの有無でに長さが変わります。
また、径の異なる鉄筋相互の重ね継手の長さは、「細い方の径」で考えます。
測り方
一般的な直線重ね継手の長さの測り方はこんな感じです。(下図)
そして、フック付きについては、フック部は継手長さに含みませんので、こんな感じです。(下図)
長さ
これは表で見るほうがわかりやすいですね。
※( )はフック付の重ね継手の長さです。
特に、コンクリート強度24〜27(N/mm²)でSD295またはSD345の長さを出題されることが多いです。すべて覚える必要はないかなと思いますので、この数値を中心に5dづつ前後していることが理解出来ていればいいです。
位置
基本的な継手位置は、「引張応力の小さいところ」になります。これを踏まえると以下のようになります。
- 大梁の上端筋は、梁の中央部。
- 大梁の下端筋は、梁端から梁せいと同じ長さの位置から梁の内法寸法の1/4以内の範囲。
- 柱は、柱の中央部。
- 基礎梁は、上端筋、下端筋とも梁の中央部。
これを図にしますとこんな感じになります。
より実務的な内容になっていますが、それだけにすでに実務で理解している方もいらっしゃるかもしれないですね。
継手は乱に配置する
ついでにもう一つ覚えておきましょう。継手は同一箇所に集中して設置してはいけませんので、ずらす必要があります。
具体的には…
- 重ね継手は、継手の端部から約0.5Lもしくは1.5L以上ずらす。
- 溶接継手は、それぞれの圧接部から400mm以上ずらす。
- 機械式継手は、それぞれのカップラーの中心から400mm以上ずらす。
これも重ね継手のずらし方を図にしてみましょう。(下図)
まずは約0.5Lずらす場合。
そして1.5L以上ずらす場合。
溶接や機械式は継いでいる位置の中心からになりますから、間違えないように注意しておきましょう。
以上です。図のイメージがあればそんなに記憶するのに苦労しないんじゃないかと思います。どうしても暗記が続いてしまうと、文字を目でなぞっていくだけで頭に入っていきませんから。少しでもお役に立てば嬉しいです。
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