法令集を開いて最初に目に入ってくる「用語の定義」。そのなかで「建築物」について間違ってしまったことがあるのではないでしょうか。簡単なようで引っかかりやすい内容ですの整理してみました。ここで一度理解してしまえば、混乱することはありません。
例えばスカイツリーの展望台は「建築物」でしょうか。整理してみました。
「建築物」となるもの
法2条1号より、「建築物」とは、土地に定着す工作物であり、かつ、以下のいずれかの条件のものを指します。
屋根と柱を有するもの。もしくは、屋根と壁を有するもの。
両方とも屋根があることが条件です。
「屋根がなくて、壁に囲われただけの工作物」は建築物ではないということになります。
例えば、「土地に定着させて使用する、レストラン、食堂として鉄道車両」は建築物に該当します。土地に定着するもので、屋根、壁になるものがあります。
または、それに類するもの
屋根の代わりに帆布等の膜材で覆った工作物も対象になります。例えば、「帆布等の膜材で覆った球技場の上屋」など。
また、柱と床で構成された立体駐車場も屋根のある工作物であるとし、建築物とみなします。例えば、「壁を有しない開放的な自動車車庫」は建築物に該当します。
前述の建築物に付随する門や塀
門や塀については、建築物に付随しているものは建築物に該当します。タイトルの疑問については、なに付随しているかということで決まるということになります。
つまり、「広場等を囲む門、塀」については建築物ではないということになります。
観覧のための工作物
観覧のための工作物は建築物です。
コレ!引っかかりやすいです。
例えば、「土地に定着する観光のための工作物で、屋根のないもの」とか。「観覧のための工作物」は満たしてるけど「屋根」がない…。どっち?となるわけです。
この場合の正解は「建築物」に該当します。土地に定着し、観光のための工作物である条件は満たしているので、屋根はなくとも「建築物」に該当します。土地に定着し、いずれかの条件を満たせばよいのです。
整理して理解していれば混乱することはないのですが、法令集から読み取って問題を解こうとすると焦ってしまい、法2条1号には建築物の条件となる項目がズラズラと書かれているので引っかかってしまうわけです。法規によく見られる間違い方です。
地下の工作物内に設ける施設
地下の工作物内に設ける施設は建築物に該当します。
例えば、「地下街など」は建築物です。これはそのままですね。
高架の工作物内に設ける施設
高架の工作物内に設ける施設は建築物に該当します。
冒頭に出した「スカイツリーの展望台」は?これです。高架の工作物内の展望台なので建築物となります。
建築物に該当しないもの
建築物に該当しないものは以下のものです。
- 鉄道及び軌道の線路敷地内にある運転保安に関する施設。踏切の番小屋等。
- 跨線橋、プラットホームの上屋
- ガスタンク、サイロ等の貯蔵槽施設
鉄道関係は建築物に該当しませんが、駅舎については建築物として扱われますので注意しましょう。
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