【環境】照度計算について。水平面照度、鉛直面照度ってどういうこと?光源からの距離が長くなるとどうなるの?

一級建築士

照明設備の範囲は、照明計算からの出題が多く見られます。過去の出題をおさえておけば解答できるものがほとんどです。この問題をみて、不安になった人はここで要点をおさえておきましょう!難しい問題はないですよ!

A男
A男

あー、このよく図で出題されるやつ!解けないと不安になるんだよね。

ぱんちょ
ぱんちょ

そうですね。光源から距離が長くなると受照点での照度はどうなるでしょう?

A男
A男

反比例?…いや、2乗の反比例するんだっけ?いや…

ぱんちょ
ぱんちょ

いい機会なので要点をおさえておきましょう!

照明計算

照明計算で用いるのは、逐点法と光束法の2種類のみです。

この名前は覚える必要はありませんが、問題を見たときにどちらの計算法を使用するか判断できるようにしておきましょう。

逐点法

光源 I (cd) から r (m) 離れた距離にある受照点Pの照度 E (lx) は以下の通り。

照度は、光源の光度に比例し、距離の2乗に反比例します。

上記の式で求めた光線が受照点に入射し、受照面の法線方向の成分(面に垂直な成分)が

受照点Pの照度(鉛直面照度)となる。

これは光源から入射する光線と受照面の法線のなす角度をθとし、 cosθ を乗じて算出する。

これまで問題としては、配光特性が一様として出題されているため

上記の式は水平面以外の面であっても同様の計算方法で算出できる。

トップの画像の問題

ここで、トップの図の問題を解いてみましょう。

光度Iは、題意の通り1000cdです。

距離rは、三平方定理で、4mになりますね。

入射する光線の照度は、E=1000/4=250 となります。

鉛直面照度は、

ですから。受照面の法線と光線がなす角度θは60°になり、cos60°=1/2=0.5ですね。

この0.5を先ほどの照度に乗じて E=25×0.5=12.5(lx)

鉛直面照度は12.5lxとなります。

受照面の法線と光線がなす角度θを間違えないように!補助線として法線を問題に書き込んで、ケアレスミスをしないようにしましょう。

光束法

光束法とは、作業面に入射する全光束を作業面の面積で除して作業面平均照度を求める方法です。

公式がこちら。

E:作業面の所要照度(平均照度)

N:照明器具の必要台数

F:照明器具1台あたりの全光束

U:照明率

M:保守率

A:作業面(室)の面積

問題によって、照明の必要台数を求める必要がある場合は、上記の式から

として求める。

F:照明器具1台あたりの全光束 について

Fについて。

「ランプが2本入る照明器具」なんて言う表現がされて混乱することあるかもしれません。

Fは照明器具1台あたりの全光束です。

ランプが2本入る照明器具であれば、(ランプ1本あたりの全光束)×(ランプの本数:2)が、その照明器具の1台の全光束になりますから、間違えないように!

過去問

(H25-16)

床面積100㎡の部屋において、イ~ホの条件により計算した視作業面の平均照度に最も近いものは、次のうちどれか。条件 イ.照明器具: Hf点灯方式蛍光灯32W2灯用 、ロ.照明器具の設置台数: 20 台、ハ.32W Hf蛍光ランプ(定格出力)の全光束: 3,500 lm/灯、 ニ.照明率: 0.65、 ホ.保守率: 0.7

さあ、こちらの問題。最も近いものは?とのことですが、実際に計算してみてください。

いくつになるでしょうか?

解答(こちらをチェック)
→637 lx です。3500lm ×2 本×20台×0.65×0.7/100m²ですね。

照明計算としては、ここまでの内容で十分解答できるかと思います。

ここからさきは、余裕があれば確認してみてください。先ほどの光束法で使用したそれぞれの値の説明です。過去に出題されたこともありますから確認してみてください。

室指数

室指数kとは、室の形状を示す値です。

公式がこちら。

X、Y:室の縦横の長さ

H:作業面と光源面の垂直距離

となっており、図で示すと以下のようになります。

室指数が大きいほど照明率も大きくなり、照明効率は良くなる。

照明率

照明率とは照明器具内の光源から出る光束のうち、作業面に入射する光束の割合のこと。

室の形状や、壁、天井、床の仕上げの反射率や室指数が大きくなれば、照明率も大きくなる。

ちなみに、照明器具の下面にルーバーを取り付けする設備は、照明率を増大させ、ルーバーがないものと比べ照明の消費エネルギーを増大させる

保守率

保守率とは…

上記の割合のことで、

照明器具の長時間の仕様やホコリの付着による、光束の低下や効率の低下を見込んでおく定数のこと。照明器具の形式や使用場所等により異なる。

まとめ

照明率は、室指数、器具効率、室内反射率、照明器具の配光の影響を受ける。

②室指数、照明率、保守率は、いずれもその値が大きいほど、照明効率が高い。

照明率保守率はそれぞれ独立した定数として、平均照度に影響を与える。

今回は以上です。照明計算できそうですか?

難しい内容ではないですが。逐点法の法線となす角度や、光束法の照明設備1台の照度の値など、回答を急いでしまうとケアレスミスを起こしてしまいそうなところもありますから、落ち着いて得点していきましょう。

お役に立ちましたでしょうか。それではまた。

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