湿り空気線図の姿は思い出せるんだけど、横軸が乾球温度で…、縦軸が絶対湿度で…。あれ?曲線は何を表してるんだっけ?みたいなことありませんでしたか?こうなっちゃうと、相対湿度をたもったまま乾球温度を上昇させるにはどうすればよいかと聞かれても?ってなりますよね。結露に関しては湿り空気線図を理解しているかどうかが大きなポイントです。湿り空気線図をあらためて見ていきましょう!
そもそも結露って?
結露って窓に水滴がついてたりするアレですよね?どういう現象なんだろ?
身近な例だと、夏の冷えた缶ジュースに付く水滴だったり、冬の部屋の窓に付いてる水滴ですよね。結露ついての説明はこちら↓
「結露」とは、物体の表面温度が下がり、これに接する湿った空気が露点温度以下になることで、物体の表面に水滴が付着する現象です。
建築においては、結露により木材を使用している壁や床が濡れることで腐食の原因になったり、金属であればサビの原因になるので注意が必要となる現象です。
露点温度
露点温度っていう言葉が出てきましたが…
露点温度については湿り空気線図をみるとわかりやすいですが
言葉で説明するとこんな感じです↓
「露点温度」とは飽和空気(ある温度の空気が含むことのできる限界の水蒸気量を含む空気)の温度が下がり、水蒸気が濃縮され露となるときの温度のこと。また、湿り空気線図をみるとわかりやすいですが、相対湿度が100%の温度のことです。
先程の例から説明すると、冬の湿度のある暖かい室内の窓の表面に水滴が付き始める外気に冷やされた窓の温度、といった感じでしょうか。
空気線図(湿り空気線図)
ということで、これが「湿り空気線図」です。
横軸に乾球温度、縦軸に絶対湿度、図中の曲線で相対湿度を表しています。あまり使わないかもしれないですが図中の斜線は湿球温度になります。
湿り空気とは乾いた空気と水蒸気の混じった状態の空気のことをいいます。
その湿り空気の状態はこの空気線図でわかるようになっています。具体的には、乾球温度、湿球温度、絶対湿度、相対湿度、露点温度、水蒸気分圧、比容積、比エンタルピーの要素がわかります。
条件はこの要素のうち2つの値が定まっていることです。
水蒸気分圧?比容積?なんか難しくなってきたんでけど…。
試験においては、乾球温度、絶対湿度、相対湿度の関係性を把握していればほとんどの問題は解答できるかと思います。
ちなみに先程の露点温度とは、この図の相対湿度が100%になる温度のことです。(下図)
使い方
先述したように2つの要素がわかっていれば、ほかの要素がわかるということですので実際に湿り空気線図を使ってみましょう!
・気温(乾球温度)25℃、相対湿度50%の湿り空気の露点温度は?
まず、乾球温度25℃、相対湿度50%の点を図中から探してみましょう。図の赤丸の点です。
さらに露点温度ですから、相対湿度が100%になる温度のことですので、赤丸を相対湿度100%まで移動します。
このときの乾球温度が露点温度となります。
露点温度は約14℃ということがわかります。答え.露点温度は約14°
過去問
あとは実践あるのみ!ということで過去問です。
【令和2年−3】
室内の湿り空気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、対象とする湿り空気は 1 気圧とし、また、室内は無風状態とする。
1 .相対湿度が同一でも、乾球温度が異なれば、空気 1 m³中に含まれる水蒸気量は異なる。
2 .乾球温度が一定の場合、相対湿度が低くなるほど露点温度は低くなる。
3 .乾球温度と湿球温度が与えられれば、その空気の相対湿度及び水蒸気分圧を求めることができる。
4 .相対湿度を一定に保ったまま乾球温度を上昇させるには、加熱と除湿を同時に行う必要がある。
解説
まずは1から。
相対湿度が一定で、乾球温度が変化する場合を湿り空気線図で考えると…
乾球温度の変化に合わせて、水蒸気量(絶対湿度)が変化していることがわかります。
次は2。
今度は乾球温度が一定で相対湿度が低くなる場合は…
補助線を水色、青、赤の順で考えると露点温度が低くなっているのがわかります。
3については、先述した通り。乾球温度、湿球温度、絶対湿度、相対湿度、露点温度、水蒸気分圧、比容積、比エンタルピーの要素のうち2つわかっていれば残りすべてを求めることができます。
4は相対湿度が一定に乾球温度を上昇させるので…
加熱と除湿ではなく加湿が必要なことがわかります。したがって解答は4となります。
以上です。少しでも学習のお役に立てば嬉しいです。
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