【計画】幼稚園・保育所について。乳児と幼児では計画が違う!各種寸法はもうおさえた?施設の運用や乳幼児の生活パターンを理解しよう!

一級建築士

公共建築計画の範囲からは例年3問出題されています。幼稚園・保育所はこの範囲の一つで、数年に1回程度の出題頻度になります。保育室や遊戯室といった諸室の特徴や、乳幼児に合わせた各種寸法の計画の理解を求められます。近年の少子化や女性の社会進出が進む中で注目度の高い施設となっておりますので、バッチリ試験対策して本試験にのぞみましょう!

A男
A男

う〜、今回も数値をたくさん覚えなきゃ!ですかね?

ぱんちょ
ぱんちょ

たしかに覚えるべき数字はありますが、まずは乳幼児の生活パターンに注目してみましょう。

A男
A男

なるほど…

ぱんちょ
ぱんちょ

近年、注目される施設ですから覚えておけば、【設計製図】でも部分的に役立つかもしれませんよ!

幼稚園・保育所

これは、試験で問われることはないと思いますが…

 

◆幼稚園とは…

満3歳から小学校入学前までの幼児を保育し、心身の発達を助長することを目的とするもの。

(学校教育法より)

◆保育所とは…

日日保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児または幼児を保育することを目的とする施設。

(児童福祉法より)

◆幼保連携型認定こども園、なんていうのもあります。

幼稚園と保育園の両方の機能を合わせもつ単一の施設。小学校に入る前の子供の教育・保育・子育て支援を一体的に提供する。

所要室の計画及び設備

職員室、保育室、遊戯室、保健室、便所、飲料水用施設、手洗用設備、足洗用設備を設ける。

そのほか、できるかぎり以下の設備を備える。

〈放送聴取室、映写設備、水遊び場、幼児清掃用設備、給食設備、図書室、会議室。また、保育所で2歳以下の乳幼児を扱う場合には、乳児室、ほふく室、調乳(調理)室など。〉

ここで過去問!(ちょっとむずかしめ【計画】って急にこういう問題出ますね。)

(H30-16)

4.食事の提供をすべき園児数を25人とする計画であったので独立した調理室を設けた。

 

こちらの記述は正しい内容でしょうか?それとも誤り?

解答(こちらをチェック)
→◯ これはむずかしい!このときは明らかな誤りの枝があったので設問自体は正答はできました。独立した調理室は、園内で調理して園児に食事を提供する場合、園児数が20人以上の場合、原則として設けることになります。

保育室

幼稚園では1学級を35人以下とし、保育室の数は学級数以上に設ける。

教壇、教卓は不要で、内部は変化に富んだ家庭的な雰囲気にする。幼児の作品スペースなど。

過去に出題のポイント↓

  • 保育室は、年齢別に設けることが多い。そのため年齢の異なる幼児が交流できる場所として工作室、絵画制作室、図書室などを計画すると良い。
  • 保育室1人あたりの床面積は、一般に、低年齢児のほうが大きい。3歳児の保育室を、4歳児、5歳児より大きく計画する。同一面積の保育室を計画するときは、低年齢児のクラスはクラスの定員を少なくする。
  • 年長児用の保育室には、静かに落ち着いて遊ぶことのできる、絵本の読み聞かせコーナーや、ごっこ遊びのコーナーなどの小さな空間を設ける
  • 便所洗面流しできるだけ近い位置に併設することが望ましい。

乳児室、ほふく室

乳児室にはベビーベッドが必要であり、ほふく室(乳幼児がはいはいできる場所)では、床仕上げをカーペット敷にするなどの配慮が必要。

✔ 乳児と幼児では行動能力が異なるので、乳児室・ほふく室保育室兼用してはいけない

A男
A男

え〜っと、これは…

ぱんちょ
ぱんちょ

はいはいで移動する乳児と、元気に走り回る幼児を一緒の空間で遊ばせるわけには行きませんからね。

遊戯室

遊戯室は、幼児のあらゆる要素にこたえることのできる部屋で、プレイルームともいう。おおよそ保育室2室分の広さが必要。

✔ 保育室と遊戯室はやむを得ない場合は、兼用してもよい

便所

便所は、その使用のしつけも保育(教育)の中で重要な内容となっている。年齢に応じた異なるタイプを計画するのが望ましく、男女別とする必要はない

過去に出題のポイント↓

  • 1、2歳児用は便器間の仕切りを設けずオープンなつくりとする。
  • 3歳以上の幼児用には、大便器ブースに保育士の肩の高さ(1.0〜1.2m)程度の仕切りを設け、上部から見守れるようにする。
  • 3〜5歳児用の小便器の間隔は、50〜60㎝程度とする。

各部寸法ともう少し詳細な計画

◆園庭について…

  • 保育空間と一体に計画し、年令に応じたスペースを確保する。
  • 年少児用の庭は、保育室に面しても受け、芝生を植えてはいはいで登れる緩やかな丘を作る計画が望ましい。
  • 各保育室へつながるテラスを設けることが望ましい。一般にそのテラスを上下足の履き替え場所とすることが多い。

 

◆手洗・足洗用設備は、必ず飲料水用設備と別に設ける。

 

◆各部の寸法について…

  • 園児用の洗面化粧台の高さは、床面から40〜50㎝程度とする。
  • 園児用の足洗い場の床には2〜5%程度の勾配を設ける。

 

◆保育所における保育室等の所要面積は…

  • 乳児室:1.65m²/人以上
  • ほふく室:3.3m²/人以上
  • 保育室または遊戯室:1.98m²/人以上
  • 屋外遊戯場:3.3m²/人以上

※宝飯市櫛津島の面積は、低年齢児の方を大きめにする。

過去の出題

ここからは実際の過去問を解いてみましょう。

(R06-08)

1 .保育所の計画において、乳児を対象とした定員 10 人のほふく室の有効面積を、40 m²とした。

 

こちらの記述は正しい内容でしょうか?それとも誤り?

解答(こちらをチェック)
→◯ ほふく室は3.3m²/人以上が目安ですから、10人だと33m²なので、40m²ですと余裕のある計画になりますね!

(H30-16)

2.園児のための諸室として、ほふく室、保育室、遊戯室及び便所を設け、ほふく室と遊戯室を兼用する計画とした。

 

こちらの記述は正しい内容でしょうか?それとも誤り?

解答(こちらをチェック)
→✕ ほふく室は、保育室、遊戯室と兼用はできません。遊戯室と保育室についてはやむを得ない場合は認められます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

覚えるべき数値はありますが、乳幼児の特性と紐づけできれば覚えやすかったのではないでしょうか。便所の仕切りについては、年齢によって設ける場合とそうでない場合がありました。学習直後はよく覚えていますが、時間が立つと忘れてしまいますので、確認したくなったらまた見てください。

今回は以上です。こちらのページが少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

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