設計製図をはじめて序盤で混乱するのがグリッドの計画ではないでしょうか。要求室に合わせて複雑な計画になっていませんでしょうか。難しく見える課題も如何に簡素に仕上げるかというのが大切だと思います。ここでは私が設計製図をしていくうちに計画しやすかった方法をまとめました。件という要素については以下の4つにまとめました。
①採用する寸法、組み合わせ
基本的にグリッドの計画において採用する寸法は6m、7m、8mのいずれかになります。5mや9mは小さすぎる、大きすぎると判断されます。
そして、1グリッドの面積ですが40m²〜50m²が理想です。(1本の柱が支える床の面積として。)ですので組み合わせとしては7x7、6x7、6x8が基本となります。(絶対というわけではありません)大きくても7x8までかと思います。7x8グリッドは私の通っていた資格学校でも、あまりおすすめしていませんでしたが、試験元の過去の解答例をみると7x8で計画している図面はあります。
②建物の配置可能な範囲、長さを判断する
まずは問題を確認し建物が配置可能な最大の範囲を検討します。(避難経路や駐車場、高さ規制等。)基本的には建ぺい率、容積率が許す範囲で大きくするほうが計画しやすいと思います。なので、6、7、8の数字で最大限利用できるモジュールで検討します。割りきれない場合は余りが少なくなうようにすると良いと思います。
例えば、東西で建築可能な範囲の長さが50mだった場合、8mを6スパン計画して2m余すのではなく、7mを7スパン計画して1m余すといった具合です。
ここでこの余った1mを有効に使おうとして、6mの7スパン+8mの1スパンという組み合わせにするのは個人的にはあまりおすすめしません。容積が足りなければ検討すべきですが、計算ミスをしやすくなるのと、エスキスで要求室の位置を変更する際に同一グリッドであれば動かしやすいですが、一部違うグリッドを採用することで混乱しやすくなります。
もともと7x7の49m²のグリッドに収まっていた要求室を、6x7mの42m²のグリッドへ要求室を移そうとすると、面積の検討が必要になったり、室の形状が整形でなくなったりします。
③要求室の大きさに合わせる
要求室の大きさについては「○○m²以上」か「約○○m²」と表記されることがほとんどです。「以上」については制限はありませんが、「約○○m²」については前後10%で検討するとよいかと思います。
また基本的な考え方としてはグリッドは要求室に合わせると計算しやすいです。
例えば「約〇〇m²」の場合…
- 25、50、100、200m²なら → 7x7もしくは6x8
- 20、40、80、160m²なら → 6x7
といった具合です。
そして「〇〇m²以上」を求められた場合ですが、グリッド内に収まらない面積が出てきます。ここでエスキスがまとまりにくくなる人がいるのではないでしょうか。
例えば「50m²以上」を求められた場合、私は設計製図を始めた当初、反射的にそれを超えるグリッド7x8の一択だな、となってしまっていました。
この考え方に偏ってしまうと、容積率が厳しくなるケースが多くなると思います。どうしても計画したグリッドごとに要求室を収めないといけないという考えに偏ってしまいがちですが、実際には要求室をグリッドごとに構成する必要はないので7x7、6x7のグリッドで計画しても間仕切壁の位置を自由に計画することはできるので、そこまで固執する必要はありません。
ただし、要求室の形状や、共用通路の形状がいびつにならないように注意しましょう。
④昇降設備をまとめられるグリッドをパターン化する。
個人的には最初に7x7のグリッドが計画可能か最初に検討していました。
というのも、典型的な階段室を計画するのにまとまりやすかったからです。
課題にもよりますが、7x7だと15人乗りのEVをグリッド内に計画しても収まりが良く、管理部においても、階段、EVを設置しても空いてるスペースにEPSを計画しやすく管理部として計画がまとまりやすいです。他に空いているスペースは倉庫や、PS、DSに利用しても他の要求室を圧迫せずにすむのおすすめっです。
必ずしもこのパターンで計画がハマるわけではありませんし、設計課題によって7x7が最適解ではないかもしれませんが、設計課題に合わせて階段室の必要な大きさは試験前に想定できると思いますので、自分のまとめやすいパターンというのを持っておいたほうが良いと思います。
固執してはいけませんが、問題によってぴたっとハマったときはエスキスの時間が短縮できると思います。階段室に昇降設備を同一グリッド内にまとめると動線が単純になり、計画が簡素になります。逆に昇降設備をバラけさせると動線計画が複雑になりますし、複雑な平面計画は不要です。合理的な計画ほど利用しやすく、設計製図の課題の趣旨に沿いやすいかと思います。
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