一級建築士の学習をそろそろ始めようと考えられている方の中には、実際どの程度難しいの?どれくらい時間をかけているの?と、気になっている人も多いのではないでしょうか。周りにはストレートに合格した人もいれば何年も合格しない人もいるようだけど...。まとめてみましたので一緒に見てきましょう。
私は学科試験の合格だけでも何年もかかってしまいました。働きながらまとまった時間を学習に費やすのは難しいですよね。
・そもそも合格率は?
一級建築士に合格している人は例年受験者全体の10%前後です。
ちなみに令和4年の結果で見ていきますと、学科試験の受験者が30,007名に対して学科合格者が6,289名で二次試験である設計製図試験の受験者が10,509名に対して3,473名になります。総合合格率は9.9%となりました。
同年の二級建築士の結果と比較してみますと、学科試験の受験者18,893名に対して学科合格者が8,088名、二次試験である設計製図試験の受験者10,797名に対して5,670名となっており総合合格率は25%となっております。
合格率で正確な難易度は比較できませんが単純に合格率だけで行くと半分以下です。10人受験して1人しか受からない試験というわけです。
私の場合、二級建築士は学科3ヶ月、設計製図2ヶ月の短期間集中型で資格を取得することができましたが、一級建築士は学科だけでも短期間ではカバーしきれないほどのボリュームが有り、仕事とのバランスを取る中で長期間で学習する形になりました。
・学習時間はどの程度必要?
次にどの程度の学習時間を費やしているのでしょうか。大手資格学校の公表しているカリキュラムをもとに見ていきましょう。
学科試験
資格学校:日建学院
コース選択:学科スーパー本科コース
学習期間:前年の11月から学習開始で学習期間10ヶ月。
全カリキュラムの合計時間(模擬試験、直前詰め込みテスト含む):約240時間
約240時間!
です。単純に一通り学習して模擬試験を受けるだけでこれだけの学習時間が必要になります。
設計製図試験
さらに学科試験に合格したら次は設計製図の学習に移ります。設計製図試験は試験自体の時間も長く6時間30分です。その試験のための学習ですからその必要時間は推して知るべしといったところですが、同じく資格学校の学習時間を目安に考えてみますと
資格学校:日建学院
コース:設計製図本科コース
学習期間:学科試験後の7月から開始で約2ヶ月間
全カリキュラムの合計時間:約90時間
約90時間!
学科に比べて学習期間は短いもののそれでも2ヶ月の間に90時間は確保するのに苦労すると思います。
ちなみに2ヶ月というのは1年目にストレートに設計製図に合格できた場合ということになります。1年目にストレートに設計製図を合格できる人は資格学校でも10%をきると聞いています。
自習の時間は別と考えると…。
学科試験の学習から設計製図の試験の学習時間を合計すると240時間+90時間のカリキュラムになるようですね。それだけでも330時間の学校に行って学習するということになります。
もちろん学習の環境は人それぞれですので、一概に言えませんが、学校の学習時間と同じだけ自宅学習すると考えるとカリキュラムの学習時間の2倍は必要になってくると思います。
・働きながら如何に時間を確保できるか
個人的には、学習に時間がかかるのがこの資格の最大のネックだと思います。
私の場合、個人的な都合もあり学習期間を半年程度で設定して何度か挑戦しましたが、3月の決算と6月の四半期決算を挟んでしまうため、休日が取れず少なくともその月は仕事優先になってしまい学習が止まってしまうことで中途半端な学習量になって不合格というパターンがほとんどでした。
四士択一の試験で勉強すれば一つ一つの問題は解けないということはなかなかないと思います。ただそれがいくつも重なってくることで覚えることが増えていき難しくなっていきます。
定時で帰れる、残業がほとんどないし休日出勤もないという方は、しっかりと学習のスケジュールを組むことで合格へ進んでいけるでしょう。(それだけでも大変だと思いますが...)
そうでない方は周りの理解が必要だと思います。私は長い間、仕事が優先でスキマ時間だけで学習を進めていた結果、学習のスケジュールが組めず、学科試験すらなかなか合格できませんでした。実際、なかなか合格できない方のほとんどが同じ境遇じゃないでしょうか。
私が学科試験に合格できたのは、あるときに上司が変わり、仕事の方針が変わり休日が増え、スケジュールが組めるようになったのがきっかけでした。チャンスと踏んで一気に学習を進めました。学科試験の週は一週間休ませてもらうことができやっと合格できました。最後に学習のまとめと整理ができて随分助かりました。
学習期間が長くなるため中途半端になりがちなので合格するためには、それなりの覚悟と準備、時間が必要になる試験ではないでしょうか。
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