建築に携わるものとして、優先して取得したい憧れの資格の一つである一級建築士。そしてその収入が気になるという人も多いのでは。一級建築士になった方々はどのくらいの収入なのでしょうか。政府統計ポータルサイトのe-statのデータより確認していきましょう。
・平均年収は?
平均年収は企業の規模により異なりますが、2019年の統計データは以下のようになります。
・1000人以上の会社
月給:約55万円、年間賞与:約231万円、平均年収:約900万円弱、平均年齢:約44歳
・100人〜999人の会社
月給:約49万円、年間賞与:約155万円、平均年収:約750万円程度、平均年齢:約46歳
・10人〜99人の会社
月給:約39万円、年間賞与:104万円、平均年収:約570万円程度、平均年齢:約52歳
・年収1,000万円超は厳しいのか。
数値的に見ると厳しいように見えますが、1000人以上の規模の会社、つまり大手とされる建設会社のなかで順当に昇格あるいは評価されていれば、年収1,000万円超は見えてくる数字ではないでしょうか。
これは私の勤めているハウスメーカーも同様です。ただし研究職を除く、技術職として施工管理、設計、監理者等のなかで評価されるためには一級建築士は必須の資格となっております。一定の役職以上からは、資格を持っていることが大前提でそこから仕事の評価に移ります。
近年では技術者が不足しているため、一級建築士を持っているということで転職されてくる方も良く見かけるようになりました。
もちろん、独立開業される方もいるでしょう。仕事柄多くの会社の方々とお付き合いしてきましたが、一級建築士事務所という看板を掲げて成功し、企業に勤めていたときよりも収入が上がったという方は普通にいらっしゃいます。
上記の会社規模において、平均年収に届いていないという方は一級建築士の資格取得後、転職を検討してみてはいかがでしょうか。
・実際に転職している人の状況は?
転職動向調査 2022年版(2021年実績)がマイナビキャリアリサーチにより発表されております。一級建築に限ったデータではありませんが参考までに職業全体の動向を見ていきましょう。
職業全体として2020年まで、企業規模がより大きい企業とより小さい企業では、より小さい企業への転職の方がやや多かったですが、2021年はより大きい企業への転職率が高くなりました。
職業別に見ますと「技能工・建築・土木」はより大きい企業への転職率は35.1%、より小さい企業への転職率は32.2%とより大きい企業への転職率が僅かに大きい数値になっています。
更に年収で見てみますと年収が上がった人の割合は39.2%、下がった割合は21.1%となっています。また転職により年収が増加した人の割合は2019年以降増加傾向にあります。
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