鈍感力とはまさに鈍感さのことですが、鈍感なのは否定的なことではないという考え方です。様々な状況や岐路に立ち悩むことも多いサラリーマン。また生きていく上で必要な鈍感力とはどういうことか。一緒に考えていきましょう。
私も周りのことは気になってしまいがち。本当はそこまで気にする必要もないはずなんですが…。
・それは才能を伸ばすために必要なもの
サラリーマンの運命と言うべきか、避けられないのは仕事の相手、パートナーを選べないこと。ある程度の役職につく方は別かもしれませんが、上司を選べないというのも同様です。
仕事をしていると、上司や仕事の関係者からお叱りを受けることもあるのではないでしょうか。
例えば同じ環境いるAさんとBさんがいて厳しいお叱りを同じように受けたにもかかわらず、Aさんはひょうひょうとその後も業務を継続、同僚には笑顔で挨拶します。Bさんはというと、反省が色濃く態度に出ており、帰宅後も自分は駄目なやつだとふさぎ込み、叱られた失敗をその後も、悶々とかかえたまま過ごしついには翌日仕事を休んでしまう。
この場合に「鈍感力」があるのはAさんということです。
仮にBさんの能力がAさんより優れていたとしても業務を継続できなくなればそれまでです。
一方、Aさんはというと持ち前の鈍感力で業務を継続し続けます。周りからすると「鈍い」とも取られるかもしれませんが、「屈強なメンタルの持ち主」、 「タフ」なやつだと見られるかもしれません。
業務によって、つらい状況に立たされるのは少なくないでしょうから、こういった環境下にあって業務を継続し続けられることがそのまま強みになり、さらに続けることで成長していき頼られる存在になっていくのです。
・言われたことを文字通り受け取るかどうか
これは私のケースですが、上司と共同で仕事をする中である検査報告書のデータの添付を忘れるということがありました。1年間、一緒に進めているプロジェクトで、データの添付を忘れたのは今回が初めてでした。
そこで業務終了後に上司からメールで
「言われなくてもデータ添付してください」
と主語もなくだけ送られてきました。これまでは言われなくてもやっていたことだったので、忘れないように注意してくだい、ならわかるのですが、上記の言い回しだと
「言われないとできませんか」
というふうに捉えられ、帰宅後に悶々としてしまいました。一度ミスするだけここまでの言われようになってしまうのか、となってしまいました。
翌日出社すると、上司は気にする様子もなく、また今日もよろしく頼むね、といった感じなのです。もともとその上司は裏表がなく、言葉が直接的できついので有名でした。ですが他意はなく文字通りの意味であることがほとんどなのです。自身はそれを気にする様子もなく、わが道を行く性格で、その性格からか試験や検査の公平性で一定の信頼を築かれていました。
言わずもがな今回の件で、鈍感力がなく神経質だったのは私で、文字通り言われなくてもやるようにすればいい、とだけ捉えていればよかったものを勝手に深掘して落ち込んでしまいました。鈍感力から一定の立場を築いてきたのが私の上司になるということです。
・神経質になりすぎない
とある分譲住宅を購入したお客様について。特に住宅に求める理想を否定するつもりはありませんのでご了承ください。鈍感力という考え方を良しとする場合の比較です。
新築の分譲住宅を購入された2件のお客様がいらっしゃいました。分譲住宅の完成時期は同じで仕上がりも良好です。ただし分譲住宅ですので、購入されたお客様以外も何度か案内しています。
一方のお客様(ここではA様)は購入後のマイホームでの生活を想像され、家具のレイアウトやお子様たちのお部屋の使い方、お庭の造園など希望に胸を膨らませているご様子でした。一方のお客様(ここではB様)は新築後に自分たち以外も人が入ったことで傷や汚れに神経質になり、ご購入後もライトを照らしながら傷や汚れを探しておられました。
一ヶ月後の定期メンテナンス訪問の際、A様は家具のレイアウトも決まり、A様が考えておられた北欧の家具でまとめられた生活を始められており、子供部屋はおもちゃでいっぱいでした。B様というと一ヶ月まで傷や汚れの対応が無料ということで、家具を部屋の隅に寄せ、部屋も極力使用せず、傷や汚れの印をたくさん貼っておられました。そのほとんどが凹凸のないような光沢面のすれでライトを斜めから当てないと見えないものです。ご対応後も気になる様子でアクリルシートや絨毯を部屋中に敷いておられました。
A様は住宅を購入したことで、住宅によってやりたかったことを実現されておりお客様をお招きしたり、今までと違う生活を実現されておられるように見えました。B様はというと、住宅を財産として守ることに執着されすぎているようにも感じられました。
どちらが正しいということではなく鈍感力ということから考えるとA様のほうが生活が豊かになるような気がしました。
・笑うこと、笑っていられること
いかがでしたでしょうか。自信の経験を踏まえて考えてみました。様々なご意見もあると思いますが、一個人の感想ということでご了承ください。私はというと、鈍感力のある同僚を見て羨ましく思っている側の人間です。前述したとおり言葉以上のものを考えがちです。繊細さが求められることもあると思いますが鈍感力がもたらすものもわかっていただけたかなと思います。
また、鈍感力があることで健康にも良いとする考え方もあるようです。
心身ともに健康であり続けるにはどのような人間であっても血液が滞りなく流れ続けている必要があります。ここで血液を送る血管を狭め、血圧を上げたりしているのが交換神経、血管を広げリラックスさせる役割をしているのが副交感神経になります。
日々イライラしていたり、ストレスを溜め込んでしまうと交感神経が働き、血管を狭め血液がサラサラと流れていかなくなります。それにより心身に不調をきたすわけです。
血管を広げる副交感神経を働かせるには「笑うこと」が良いのだとか、日々のストレスを適度に受け流し、笑っていられる環境を作ることが鈍感力を育む上で必要になりそうです。自身の環境が代わって一人暮らしや単身赴任を始められたばかりの方には会社以外にそういった環境を作ることも大事かもしれませんね。
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